政策
2015年10月8日
政策雑感(1)
日本にカジノを作ろうという主張があり、カジノを合法化するための「法律」が国会にかかっている。自民党の執行部も首を傾げながら、この法律の成立を見送ったようである。
これは私は見識だと考える。日本では数多くの賭博が公営で行われている。中央競馬、地方競馬、ボートレース、競輪、オートバイレースなどである。その他に「宝くじ」もある。パチンコは景品に代えるということで博打的要素は薄められているが、パチンコの売上げが年間25兆から30兆円あるので、こんなものに多額の消費が行われているのは不思議である。民間では麻雀が当然のこととしてお金をかけてやるゲームとして存在している。(サッカーくじもある)
どの民族にも色々な賭博があるが、全てに共通するのは親総取りという原理である。繰り返してやっている内に結局は親が全部持って行ってしまうというカラクリである。実は「戻り率」という考え方があって、例を挙げれば、人がある「賭博」に100円かけた時いくら返ってくるかという率である。
・宝くじは、50%
・競馬などは、75%
・パチンコは、110% である。
カジノで行われている博打は全部戻り率が当然のこととして100を切っている。カジノという虚業に血道をあげても、経済の本当の成長には結びつかない。
私の友人でハーバード大学に留学した者がいるが、彼曰く、カジノの世界は怖い世界で米国でも、マフィアが影響力を持ち、黒い世界の秩序を保っているという。
加えてカジノは人件費倒れになるという。現場を見張る人がいて、それをまた見張る人、その上にまた見張る人。そして従業員がインチキをすれば、ズドンと命が危なくなる「仕掛け」になっている。彼の研究によれば、利益が出るのはスロットマシンだけで、後は利益が出ても、人件費倒れになる。
日本でカジノをやれば観光立国に役立つというが、日本は日本の独自の魅力があれば良いのであって、カジノが出来たことによる外国人の来日はそうあてに出来るものではない。賭博の世界は「闇の世界」に繋がってしまうことになると思う。何等の富も生み出さない虚業に夢中になることはない。
日本の成長戦略はもっと地道なものでなければいけない。
私は道徳の問題として、これを捉えていない。