政策
2015年11月5日
政策雑感(4)
前回は北の怖さの一面をご紹介したが、日本の安全保障にとって中国は大きな問題で、日中友好も大事であるが、中国の対外的圧力の問題もよく考えておかないといけないと私は思っている。
【中国のことを考えるポイント】
- 経済的に大きな国になった。昔は貧しかったが、例えば、外貨準備は2兆ドルを超えていて、外貨準備は、米国債・ユーロ債等になっている。そんなことはしないだろうが、仮に中国が米国債を売却し始めたら、金融危機はとたんに起こる。
言葉を代えれば、経済・金融の中で人質を捕っている。中国は自分の影響力を使うために、新たに「中国主導の銀行」すなわちインフラ融資をする機関を設立した。東南アジア・アフリカ等に経済の面での力を持とうというわけである。
中国は例えばインドネシアの鉄道入札でも国際的な常識を超えた条件を提示して、仕事をさらっていく。こんなことはこれからも続くでしょう。 - 人口は日本の10倍。安い労働力はまだまだ残っている。
- 軍事費はここ10年、日本は横ばいですが、中国は何倍にもなっています。
- 海軍力を強化しており、航空母艦もこれからさらに建造してゆく予定です。
- 南太平洋の浅瀬を勝手に埋めたてて、空港や港湾を建設しており、ここは軍事基地になり、海軍力と基地で南太平洋を支配しようとしています。
【結語】
中国がこれからますます、力を持った国として世界の中でその存在感を大きくしていくでしょう。
力というのは、その軍事力・経済力ですが、加えて世界で活躍している中国人の存在です。
ではそれを止める手段はあるのでしょうか。
軍事力で対抗するのは馬鹿げたことであるが、それでも必要最小限の自衛力を質量ともに充実させていくことは忘れてはなりません。加えて、日米安保条約はスタートの頃はソ連を強く意識した同盟条約でしたが、今はこの条約の役目は中国を意識したものであり、その効果的な運用のための準備、これが今回の安保法の本質だと思ってます。
それでは中国を野放しにしてよいのかといえば、それはそうではない。
国際的な約束も守ってもらわなければなりませんし、例えば知的財産権(すなわち特許権・著作権)等はキチンとルールを守ってもらわねばなりません。
通商のルールは当然のこととして、大国としてそれを遵守することは当然で、発展途上国のような顔をしてもらっても困るわけです。中国は国内問題として、少数民族の問題があります。やはりここで、我々は「人権」という観点に立ってこれを見ていかなければなりません。
中国が繁栄するのは、中国にとっても日本にとってもあるいは世界全体にとっても良いことだと思います。
我々は、良き関係、これを常に考えて行動していかなければなりません。
しかし、中国の力の増大が地域の不安定さをもたらすのであれば、それは正していく必要があるのです。