政策
2016年4月21日
政策雑感(20)
『財政と日銀の金融政策について』
- 今の日銀の金融政策ほど、政府・与党・国民にとって都合の良いものはない。
- 日銀の国債購入は次の通りである。
毎年 80兆、その年の分 40兆、過去の分 40兆 - 経済の実体がないのに80兆ものお金を供給している。
これはもともと日銀が持っているお金ではなく「印刷機」で新しくお金をプリントしたものである。北朝鮮がドルの偽札を作っていたことがあるという報道が昔あったが、日銀の80兆の資金供給は偽札を供給していることと本質的にほとんど変わらない。 - 国の借金は約1,050兆である。
そのうち日銀が持っているのは約三分の一約350兆である。 - 今政府は、40兆以上の借金をしないと予算を組めない。
これは全部日銀が引き受けている。本当は日銀の国債の直接引き受けは法律で禁じられているが、抜け道使って購入している。 - その上に過去発行した国債を40兆買っている。
- その他にもリート等も買っている。
- もう一度強調したいのは、それは「プリントしたお金」で買っているのであって、経済的実体の裏付けのないお金である。想像して下さい。せっせせっせとお金の印刷をしている日銀を。それも毎年80兆円もです。
この政策の影響
- 政府・財務省にとって、こんな楽な話はない。国債の買い手は常にいることになり、売れないという心配はしなくてすむ。
- 日銀に利息を払っている限り、それは「日銀納付金」という形で政府の金庫に戻ってくるので、利息ゼロで借りているのと同じである。懐は痛まない。
- 借金を増税や、行政改革で返すことはなるべくしたくない。
これは政権や与党の本心である。消費税をあと2%上げても入ってくるお金は5兆で、1,050兆という数字と比べるとまさに焼け石に水である。政党も議員も増税の話はしたくない。国民も増税は嫌がるのは何処の国であっても同じである。
耳障りの良いことだけを言うのが、選挙をやる人間にとって一番なのである。 - それではいつまでもこんなことを続けられるのか。
まず第一段階は国民が気がついていないが、皆のお金の価値が少しずつ薄まっていく。だって偽札まがいのものが流通するわけであるから。
第二段階はインフレが起きる。それも2%、3%のものではなく、何十%あるいは100%を超えるかもしれない。 - 多分あと数年は続けられる。しかしこれはサラ金生活に近い。健全な家計は収入の裏付けがある。それ以上の贅沢は長続きしない。